アートセラピー

風景構成法のやり方|はじめてでもできる

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●風景構成法とは

風景構成法というアートセラピーを体験したことはありますか?
風景構成法は箱庭療法の平面版とも言われ、箱庭療法と違ってクレヨン・画用紙・黒ペンさえあればどこでも体験いただけるアートセラピーです。

 

風景構成法は、「箱庭療法をもっと簡単に体験できるいい方法はないか」と考えた心理療法家の中井久夫氏よって生み出された手法です。川などの身近なモチーフを順番に画用紙に書き込んでいくことを通して、今の「心象風景」を知ることのできるツールです。

 

風景構成法は何度体験してもまた新たな発見があり、心のバランスを崩している人だけでなく人生の選択に悩んでいる人や、問題の解決策を探している人まで幅広く活用することができます。

 

絵が苦手な人でも、描くことが決まっているため取り組みやすい特徴があります。
ちいさなお子様から大人までできるこの手法!ぜひ風景構成法を活用して人生の大切な決断にお役立てください。

 

風景構成法|準備するもの

八つ切り画用紙・クレヨン(24色程度)・黒サインペン

 

★風景構成法|書き出す前にセラピストが行いたいこと
風景構成法ではクライアントの目の前でサインペンを使って画用紙に枠取りをフリーハンドで行います。

その後、そのままサインペンを渡して10個のモチーフを画用紙に描いてもらっていきます。

★風景構成法|教示

「これから10個のモチーフを順番に伝えていきますので、それを一つずつ画面に描き加えていき最後に全体として一つの風景になるように完成させていきます」まず最初にかくのは・・・
1・川2・山3・田もしくは畑4・道5・家6・木

7・人

8・花

9・動物

10・石もしくは岩

 

一つ一つを描き終えるごとに順番に伝え、(いっぺんに伝えるのはNGです)

10個のモチーフを書き終えたら、最後に書き加えたいものがあれば描き加え、クレヨンで色付けをして完成させてみましょう。(順番に意味があります。1〜伝えていきます)

 

注:風景構成法の色付けの時間は基本的には制限時間などはありませんが、風景構成法をグループワークで行うときは、あらかじめ「描いてみた感想を伝え合う時間を取りたい」というような趣旨を伝え、「今日は10分ぐらいで着色してみましょう」と伝えるとよいです。

 

着色が終わったら、
どこか空いているスペース(裏書きでも構わない)に名前と今日の日付を記入していただきます。

 

 

 

●風景構成法|書き終えたあとの質問と意味

時間・季節・川の流れ(どちらに向かって流れているのか)・作画者はどこで何をしているところなのか

この質問から描いた人の心の時間、季節、気持ちの流れが見えてきます。

 

 

 

●風景構成法→モチーフの意味

風景構成法で描かれるモチーフにはさまざまな解釈がありますが、ここでは一般的な解釈を載せます。

 

・川→        感情
・山→        目標・目指すもの
・田もしくは畑→  仕事(自分が手がけていること、やらなければならないと思っていることを含む)
・道→       人生の道
・家→  心の中
・木→  心的エネルギー
・人→  自分自身
・花→  愛・愛情
・動物→ 分身(作画者あるいは周囲の人との関係をみる)
・石もしくは岩→ 障害・問題

 

 

 

●風景構成法|絵の見方

風景構成法にはモチーフの意味だけでも最低10個はあるので、それだけで色々な情報がわかります。

 

ですがあくまでモチーフの意味などは描いた方がそのモチーフに対してどんなイメージを持っているのかが優先されます(例:家の周りに石がいっぱいあるが、その人の趣味が石のコレクションで石に並並ならぬこだわりがある。 となると一概に障害と捉えることはできなくなる)

 

それよりも絵を見て第一印象としてどんな印象を受けるのか?
どんな連想を抱かせる絵なのか、暗いのか明るいのかなど、全体として見たときにどんな印象を受けるのかを大事にします。

 

その上で作画者さんが解決していきたい問題を、風景構成法の絵の中から紐解いていくイメージです。

 

 

●風景構成法|画面構成

風景構成法で描いてくれたモチーフが、紙面のどこに描かれているかによって意味合いが変化することがあります。

 

例えば猫のことが嫌いな作画者が、紙面のほぼ真ん中に猫を描いたとします。中心に描かれているものは一番注目しているもの、心の中心にあるもの、テーマとして上がっていることなどが考えられます。

 

そこに猫が描かれたということは、猫は女性性の象徴であることなどから現在女性性に纏わることで葛藤を覚えることがあるのかもしれない。ということが考えられます。

 

もしくは無邪気さ、気ままさ、愛らしさ、自由さなどに関して何らかの困難を感じたり、戸惑いがある場合も考えられます。

 

この様に、何がどこに描かれているかによってそのモチーフの捉え方が左右されます。風景構成法を行うにあたり、画面構成を大雑把にでも掴んでいると進めやすいでしょう。

 

 

 

 

●風景構成法の楽しみ方

今回は誰かにセッションを行うという様な設定で書いてきましたが、自分自身のために風景構成法をおこなってもなかなか面白いものがあります。また家族でみんなで描いて風景構成法の絵をつかって新しいコミュニケーションのツールとして活用しても面白いです。

 

風景構成法をつかって普段は聞けないような家族のあれこれを聞けるかもしれません。

 

その際に気をつけたいのが絵を茶化すようなこと。描いたことを否定するようなこと。(どうしてそんなのかいちゃうの?)です。

 

この二つに注意してお話しできれば、わからないなりにも十分に風景構成法を楽しみ今までにはなかった深いお話しができることも夢ではありません。ぜひ活用してみてください。

 

風景構成法についてはこの本がとても参考になります。

この記事を書くに、あたっても参考にさせていただきました。

興味のある方はぜひご購入ください。

 

また札幌アートセラピースクールでもこの風景構成法を使ったワークを学ぶコースが準備されています。もしピンと来ましたらぜひ一緒に学んでいきましょう。

 

 

 

 

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